书籍封面

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书籍信息

  • 作者:[日]河合隼雄 著
  • 出版时间:2016-12-16
  • 系列:岩波現代文庫・学術
  • 页数:240
  • ISBN:9784006003470

书籍介绍

神話の中には,生きるための深い知恵が詰まっている! 生き方の選択肢が増え,物質的に豊かになった現代,それに対応する心の豊かさを身につけるために神話が役に立つのではないか.思春期の悩み,男女の恋愛,親と子の葛藤など誰もが直面する人生の問題について,世界の様々な神話の中にヒントを読み解く「神々の処方箋」.(全6冊)

■内容紹介

河合隼雄が2003年に著した『神話と日本人の心』(本コレクションIII)では、『古事記』『日本書紀』などに記載されている日本神話の物語を読み解き、日本人の心性の深層にせまっている。それに対して本書では、日本だけでなくギリシャや古代オリエント、アメリカ・インディアンなど世界の神話を引用しながら、思春期の不安、男女の恋愛、親子の葛藤など、現代人の直面する様々な心の問題を解決するためのヒントを与えている。いわば、神話による「心の処方箋」である。

どうして現代人に「神話の知恵」が必要なのだろうか。河合隼雄は、次のように述べている。

神々は人間の内界の住人という表現をしたが、神々の姿は、人間の内的体験をあらわすのに適しているのだ。太陽イコール神ではなく、ある人にとって山頂に立って太陽の昇るときの感動がすなわち神体験なのである。これは言うならば、そのとき内界に顕現した太陽の女神を拝んでいるのである。

このようなことを忘れ、科学技術と結びつく外的事実のみに注目すると、神話は「絵空事」ということになって一挙に価値が下落してしまった。そして神話を否定し去り、便利で快適な生活を築きあげながら、不安とストレスに苦しめられているのが現代ではなかろうか。

それは神話が試みてきたように、自分という存在をこの世界のなかにどう位置づけるのか、自分が生まれて死んでいくという事実を、どのように納得するのか、という問いに対する答えを見失ってしまったからである。

(本書23頁)

それでは、科学技術が発達し、神話を失った現代人は、どのように生きればよいのだろうか。これに対し、河合隼雄はアメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベルの言葉を引きながら、こう答えている。

キャンベルは「各個人が自分の生活に関わりのある神話的な様相を見つけていく必要があります」と言う。集団で共通の神話を持つ時代は終わり、各個人の責任と努力によって、自分の生き方における「神話的な様相」を見いだしていかねばならないのだ。

(本書26頁)

各個人が「自分の生活に関わりのある神話的な様相を見つけていく」ためには、われわれ人類がいったいどんな神話を持ってきたのか、それは現代人の生き方とどのように関連するのか、などについてよく知る必要がある、と河合隼雄は言う。本書は、そのためのささやかなガイドブックと言ってもよいものになっていると思われる。